ツイッターに投稿された、イランでのデモとみられる動画
イラン各地で28~29日、物価高や政府の経済政策に抗議するデモがあった。地元メディアによると、第2の都市・北東部マシュハドでは52人が逮捕され、他都市でも警官隊と衝突した。デモが事実上禁じられているイランでは極めて異例の事態だ。10%を超える高い失業率や、遅々として進まない経済発展に市民がしびれを切らした形だ。
地元メディアによると、中部イスファハンや北西部タブリーズなど、少なくとも11都市で数百人規模のデモがあった。警官隊が催涙ガスや放水車で対応したという。イランでは今月、卵の価格が約2倍に高騰したほか、通貨リアルの価値が下落傾向で、日常品の価格も上昇。市民の不満が高まっていた。
英BBCなどによると、参加者は「ロハニ大統領に死を」「パレスチナやシリアは放っておけ。国民のことを考えろ」などのスローガンを叫んだ。最高指導者ハメネイ師を示唆して「独裁者に死を」「イスラム体制はこりごりだ」との声も上がったという。
デモ参加者の多くは、インターネットのSNSを通じて集まったとみられる。2009年には、大統領選挙の結果などに不満を持った市民が大規模な反体制デモを行い、多数の逮捕者や負傷者が出た。首都テヘランでは30日、ネットを通じてデモが呼びかけられており、警察などが警戒している。
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