ダマスカス近郊東グータ地区への砲撃で左目を失ったカリーム・アブドラちゃん=AFP時事
内戦下のシリアで、アサド政権軍の砲撃で母親と左目を失った生後3カ月の赤ちゃんが人道危機のシンボルになっている。首都ダマスカス近郊の東グータ地区に暮らすカリーム・アブドラちゃん。同地区は4年前からアサド政権軍に包囲され、約40万人が食料や医薬品の不足に苦しむ。手で片目を覆った写真をSNSに投稿し、住民への連帯を示す動きが広がっている。
アサド政権軍が10月末、東グータ地区の市場を砲撃した際、カリームちゃんは巻き添えになって左目を失い、頭にも傷を負った。一緒にいた母親は死亡した。
東グータ地区に暮らす写真家のアミール・モヒバニーさんは17日、左目を失ったカリームちゃんの写真と、左手で左目を覆って撮影した自身の写真をツイッターに投稿。カリームちゃんへの連帯を呼びかけるキャンペーンを始めた。
キャンペーンは瞬く間に世界に広がり、賛同した人々が片目を隠した自分の写真をSNSで共有した。北部アレッポの空爆の様子を発信し続けたシリア人少女バナ・アベドさんも19日、左目を隠す写真をツイッターに投稿。英国のライクロフト国連大使も19日、片目を覆う自身の写真とともに「東グータの爆撃と包囲を終わらせなければならない」と書いてツイッターに投稿した。
モヒバニーさんは朝日新聞の取材に対し、「たとえ一瞬であっても、世界の人々に東グータに思いをはせてほしい。カリームのように東グータで苦しむ子どもたちを救うため、国際社会が行動するのを待っている」と訴えた。
東グータ地区では11月中旬か…