八代弥六段(手前)と対局する羽生善治竜王=13日午後、名古屋市東区、戸村登撮影
全棋士らがトーナメントで争う第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が13日、名古屋市で開幕し、羽生善治竜王(47)が1、2回戦に連勝して4強入りを果たした。対局が公開されたほか、現地での解説会もあり、合わせて400人を超すファンが熱戦を楽しんだ。
本戦には16人が出場。14日までの名古屋の対局で、このうち8人が1、2回戦を戦う。羽生竜王は初戦で高見泰地(たいち)五段(24)に勝利。2戦目は、前回優勝の八代弥(わたる)六段(23)と対戦した。元竜王の糸谷哲郎八段(29)を初戦で破って勢いにのる若手を、大熱戦の末に破った。「完全に負けだと思ったことが3、4回あった。幸運だった。2月の準決勝にはいいコンディションで臨みたい」と話した。
同市の東桜会館の対局室に設けられた約200人分の観戦席は満席になった。愛知県江南市の古池めぐみさん(52)は「将棋のイベントに来たのは初めて。羽生先生の目がギロッと動くところまで見えて、興奮しました」と喜んだ。別フロアでは、木村一基九段(44)と、杉本昌隆七段(49)らによる解説会が開かれた。
14日午前は、佐藤天彦名人(29)と永瀬拓矢七段(25)、地元愛知県で初の公式戦に臨む藤井聡太四段(15)と澤田真吾六段(26)が戦う。両対局の勝者が準決勝進出をかけて午後に戦う。観戦チケットは完売した(解説会は当日券あり)。