久保利明王将(手前)を相手に、長手数の熱戦を制した稲葉陽八段=13日午前1時30分、大阪市の関西将棋会館、佐藤圭司撮影
佐藤天彦名人への挑戦権を争う第76期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の9回戦、久保利明王将―稲葉陽(あきら)八段戦が12日、大阪市福島区の関西将棋会館で指され、後手番の稲葉八段が208手で勝った。稲葉八段は5勝4敗となった。敗れた久保王将は5勝3敗となった。
終局時間は、翌13日の午前1時21分。長手数の激戦だった。
この結果、今期A級順位戦に参加している11人のうち、5勝を挙げているのは5人(5勝2敗=⑩豊島将之八段。5勝3敗=⑧佐藤康光九段、⑨久保王将。5勝4敗=①稲葉八段、②羽生善治竜王)となった(各棋士の名前の前の○の中の数字は、順位)。
11日にあった羽生竜王-佐藤九段戦で羽生竜王が敗れて、羽生竜王が5勝4敗と後退したのに続き、12日も先頭集団にいた久保王将が敗れ、挑戦権争いは混沌(こんとん)としてきた。(佐藤圭司)