2020年東京五輪に初採用が決まった卓球の混合ダブルス。東京体育館で開催中の全日本選手権でも有力ペアが次々と結成された。16日は優勝候補の5組すべてが4回戦に進んだ。
「レベルが高いペアがたくさんいる」。石川佳純(全農)は、今年の混合ダブルスをこう評する。自身は昨年6月の世界選手権で吉村真晴(名古屋ダイハツ)と組んで日本勢48年ぶりの金メダルを取ったが、16日の全日本選手権3回戦は、フルゲームの末、3―2の辛勝だった。
レベルが高くなった要因は、五輪の種目に採用されたからだ。代表選手の選抜方法は未定だが、日本協会は今回の全日本選手権で有力ペアを結成し、推薦枠で出場させた。
最も注目度が高いのが、14歳の張本智和と17歳の平野美宇のペア。「同じエリートアカデミー所属なので、練習しやすい」と平野。張本は「平野さんのプレーは本当に速いので、頼もしい」。順当にいけば、準々決勝で吉村、石川組と対戦する。張本は「怖い物知らずで、思いっきりぶつかりたい」と誓う。
ダブルス技術のうまさが光るのが、森薗政崇(明大)、伊藤美誠(スターツ)組だ。昨年の世界選手権で、森薗は男子ダブルスで銀メダル、伊藤は女子ダブルスで銅メダルを獲得。森薗のバックハンドレシーブと伊藤の変則的な攻撃がはまれば、頂点も見える。伊藤は「お互い速い卓球ができるのでやりやすい。優勝したい」と意気込む。
世界選手権の男子ダブルスで森薗と組んだ大島祐哉(木下グループ)と、女子ダブルスで伊藤と組んだ早田ひな(日本生命)のペアは、攻撃的なプレーが売りだ。大島は「ペアを組んで間もないが、優勝目指して一試合ずつ戦いたい」。
昨年の全日本を制し、世界選手権でも8強入りした田添健汰(専大)、前田美優(日本生命)組も、チームワークで頂点を狙う。(前田大輔、有田憲一)