トレーニングに励む阪神の糸井の二の腕はパンパンに隆起していたが、一番気に入っている部位は「背中」という=大阪市中央区
プロ野球阪神の糸井嘉男外野手(36)が16日、大阪市中央区のトレーニングジム「フィットネスラウンジReXeR(レクサー)」で2時間の筋力強化に励んだ。昨年、肉体美を競う「メンズフィジーク」で日本王者になった石井良亮さん(29)と合同でのトレーニング。糸井も野球選手とは思えない肉体を披露し、移籍2年目への思いを漢字1文字で「力」と書いた。
糸井はかねて親交のあった石井さんとともに、ジム内のマシンと格闘した。この日は上半身を中心に、歯をくいしばって負荷に耐えた。「追い込み方やサプリメント摂取のタイミングを学んでいる。体に直(ちょく)に来てる感じがする」。二の腕はパンパンに隆起し、明らかに巨大化していた。真っ黒に日焼けした肌も手伝い、野球選手というより格闘家のようだった。
公称は身長187センチ、体重88キロだが、この体重はプロ入団時の数字で、実際は95~96キロに増えているという。オリックスからフリーエージェントで移籍した昨季は打率2割9分、17本塁打、21盗塁。糸井に言わせれば「平凡な数字」に終わった。左打者泣かせの右から左に吹く浜風に押し戻された打球もあった。「今年は浜風に負けない。キャリアハイを出したいし、タイトルを争いたい」と、力強く語った。
今月上旬はグアムでソフトバンクの柳田悠岐(29)、松田宣浩(34)、オリックスの吉田正尚(24)らと汗を流した。長距離打者が集まり、大いに刺激を受けたという。大きくなった糸井の体に、柳田が「同じ人間とは思えない」と発言したと聞くと、「僕もあいつにそう言いたい」と笑った。
石井さんは今後も糸井をサポートしていくという。「飛距離を3~5メートル伸ばしたい。1回でも多く重量を挙げるようとする姿は本当にストイック」。野球のトレーニングを逸脱した光景にも見えたが、糸井は「バットも振っているし、走ってもいる。これを野球に生かさないと」と話した。(伊藤雅哉)