韓国の李明博(イミョンバク)元大統領が17日に自身の政権に対する検察捜査を批判したことで、文在寅(ムンジェイン)大統領は18日、「盧武鉉(ノムヒョン)元大統領の死を直接取り上げ、政治報復と語ったことに怒りを禁じ得ない」と語った。韓国大統領府報道官が発表した。
検察当局は、李政権当時の世論操作や情報機関予算の使用を巡る事件を捜査。李政権当時の幹部らを次々事情聴取し、逮捕者も出ている。捜査への評価を巡る韓国世論の対立が元職と現職大統領の対立に発展した格好だ。
文氏は、李氏が大統領府による政治報復だと示唆したことについて「我が政権への侮辱だ。韓国の大統領を歴任した方として語るべきではない司法の否定だ」とも語った。
李氏は17日の記者会見で、検察当局の捜査について「多くの国民は、保守を壊滅させる政治的な工作、盧武鉉元大統領の死に対する政治的な報復だとみている」と主張した。
盧元大統領は李政権当時の2009年、収賄容疑の被疑者として検察の捜査を受け、同年5月に自殺した。(ソウル=牧野愛博)