記者会見に臨む小室哲哉氏=19日午後1時8分、東京都港区、飯塚晋一撮影
19日に引退を表明した小室哲哉さん。1990年代の日本の音楽シーンを代表する音楽家だった。
小室哲哉さん音楽活動を引退 騒動に「お詫びとけじめ」
東京都出身で、83年に宇都宮隆さん、木根尚登さんと3人組の音楽ユニット「TMネットワーク」を結成し、翌年デビュー。キーボードを担当し、「Get・Wild」などをヒットさせた。
94年の解散後はソロに転向し、音楽プロデューサーとして活躍。安室奈美恵さんやダンスユニット「trf」、篠原涼子さん、華原朋美さんらをプロデュースし、ヒットチャートの上位に送り込んだ。楽曲の提供を受けたアーティストは「小室ファミリー」などと称された。2000年夏の九州・沖縄サミットでは、イメージソング「NEVER END」を作詞・作曲し、政府から総理大臣特別協力感謝状が贈られた。
95~98年の日本レコード大賞を4年連続受賞したほか、ヒット曲の印税収入で、96、97年の高額納税者番付では全国4位になった。
98年に本格的なアジア進出を目指し、自ら出資して香港に総合音楽プロダクションを設立。だが、01年に香港のベンチャー市場に同社を上場した直後から株価が一気に下落。経営から撤退し、多額の借金を背負い、2008年に詐欺事件で逮捕されるに至った。
10年に作曲家としての活動を再開した。昨年も、今年9月の引退を表明した安室さんのベストアルバムに16年ぶりに新曲を提供。浅倉大介さんと音楽ユニット「PANDORA」を結成し、テレビの特撮ドラマ「仮面ライダービルド」に主題歌を提供していた。(河村能宏)