自転車道設置の検討を始める大鳴門橋の下層部=徳島県鳴門市
四国と淡路島を結ぶ大鳴門橋(全長1629メートル)に自転車道を新設する計画が検討されることになった。安全面や採算性などが課題だが、実現すれば「鳴門の渦潮」の上を走るサイクリングコースになる。
大鳴門橋は1985年6月に開通した。自動車道(上層)と、将来の四国新幹線整備を見据えた線路敷設用の鉄道橋(下層)の2層構造。下層は徳島県側の一部を渦潮観光の遊歩道「渦の道」にしている以外は利用されておらず、自転車道として活用する計画という。
徳島、兵庫県は今年度、大鳴門橋への自転車道整備についての勉強会を開催。8日発表の徳島県の2018年度一般会計当初予算案には調査費2300万円が盛り込まれた。両県は自転車道を設置した場合の橋の強度を調べるほか、海面から高さが約45メートルあるため、模型を使った実験で風の影響を検証する。
サイクリングは人気が高く、広島県尾道市から愛媛県今治市に至る「しなまみ海道」や、滋賀県の琵琶湖を一周する「ビワイチ」など各地で特長を生かしたコースがPRされている。
鳴門海峡周辺でも昨秋、兵庫県南あわじ市と徳島県鳴門市、香川県東かがわ市に、淡路島と四国北東部をめぐるサイクリングコース(全長約120キロ)が設定された。ただ、大鳴門橋は高速バスで移動し、自転車はトラックなどで運んでもらう必要があった。(佐藤常敬)