大豆ミートを使ったハンバーガー(手前左)は税別で690~1280円。ボリュームがあり、押しつぶして食べる。から揚げは680円=堺市の「ヴィーガン・バーグ・キッチン」
大豆の加工食品で、肉代わりに使える「大豆ミート」の人気が広がっている。ハンバーグやから揚げなどに調理すれば、外見はそっくり。飲食店で使われたり、スーパーに置かれたりしている。裾野が広がる理由とは――。
ハンバーガーもから揚げも
堺市の「ヴィーガン・バーグ・キッチン」は、動物性食品を使わない菜食ハンバーガー店として昨年4月にオープンした。店で出す大豆ミートのメニューは、見た目も味付けも肉を使った「本物」にそっくりだ。
ハンバーガーを食べた市内の事務職員、岡崎舞さん(24)は「脂っぽくなくてヘルシーだけど、肉のハンバーガー並みにボリュームがあっておいしい」。友人の事務職員陣ノ智子さん(34)は、から揚げをほおばり「弾力など鶏のから揚げと全く同じ。言われないとわからない」と驚いた。
店長の中井純一さん(47)は、もともとイタリア料理店などを経営。40歳の時に体調を壊したのを機に、菜食に興味を持った。
大豆ミートは乾燥品を使うので、適度な軟らかさになるよう、湯戻しの時間に気を使う。肉に似せるため、オリーブ油を混ぜる。マヨネーズやソースは動物性の原料が含まれる市販品を使わず、手作りする。制約があるなか、いかに本物に似せるか、調理を工夫するのが面白いと感じた。
大阪市内に菜食レストランを開いたところ徐々に客が増え、続いてハンバーガー店を出した。菜食はとっつきにくい、味は二の次、と思われがちなので、親しみやすいメニューに特化した。「肉を食べる人にぜひ来て欲しい。今日は野菜だけでいける、と思ってもらいたい」と中井さん。
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