伊フィアット「デュカト」をベースにしたキャンピングカー=千葉・幕張メッセ
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国内最大級のキャンピングカー見本市「ジャパンキャンビングカーショー」が、2月2~4日、千葉・幕張メッセで開かれた。気の向くままに、西へ東へ。そんな生活を夢想させてくれるキャンピングカー。その究極の姿はどんなカタチなのか? 様々な趣向の展示車両360台超の中で、最も高い値札が付いた一台を見せてもらった。
ガスコンロが付いたキッチン。走行中に開かないよう、キッチン下の棚は、エンジンを掛けると自動でロックされる=千葉・幕張メッセ
「東和モータース販売」(東京都杉並区)のブースに並んだ車両は、税抜き2200万円。全長871センチ、車幅233センチ、車高304センチ。バスのように大きいが乗車定員は5人で、普通免許があれば運転できる。ベース車両は伊フィアットの大型バン「デュカト」。日本国内ではなじみが薄いが、欧州ではキャンピングカーの定番だという。
天井は高く、頭上に余裕がある=千葉・幕張メッセ
室内は、身長171センチの記者が立っても頭上に十分すぎる余裕がある高さ。シートも本革張りで、高級感が漂う。狭い車内空間を効率的に使うため、シャワーとトイレは一緒のケースが多いが、この大きな車両はそれぞれ独立させることが可能だ。
蛇口からはお湯も出るし、キッチンにはガスコンロが3口ある。もちろん冷蔵庫も備える。キッチン下の収納は、エンジンがかかると自動でロックされ、走行中に扉が開いて収納品が散乱するのを防いでくれる。車内の後端には、2人が寝られるベッドがある。運転席の上にも、電動で下りてくるベッドが隠れている。まるで「動くホテル」のようだ。
驚いたのは運転席。ずいぶんと高い位置に座面があると思ったら、座ると席の下のバネが沈み込み、ちょうどよい高さになる。前方の見晴らしもいい。展示車のため運転はできなかったが、ディーゼルエンジンを積んだ前輪駆動でこれだけ大きな車体がどんなふうに走るのか? ふわふわな運転席はどうなるのか? 興味が尽きない「夢」のクルマだった。(神沢和敬)