福岡中央銀行の顧客預金計5千万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた福岡県春日市の元同行人事総務部付代理、酒造(みき)博行被告(40)=昨年12月22日付で懲戒解雇=の初公判が16日、福岡地裁(松村一成裁判官)であった。酒造被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は懲役6年を求刑、弁護側は「銀行の監督体制にも問題があった」など情状酌量を訴え、即日結審した。判決は3月9日。
起訴状などによると、酒造被告は二日市支店(同県筑紫野市)の渉外担当などだった2016年9月~17年1月、70代男性の口座から定期預金などを解約して現金を払い戻し、計5千万円を着服したとされる。
検察側は冒頭陳述で「口座を管理していた被害者の義姉がほとんど文字が読めないことを利用。預金の引き出しに必要な書類を作成して着服した」と述べた。
酒造被告は被告人質問で「家庭と銀行業務でストレスがあり、キャバクラの人に貢ぐことで解消していた」と語った。(中西皇光)