大阪市内での体験会では子どもたちがカーリングを楽しんだという=2月17日、京都府カーリング協会提供
女子日本代表が初の準決勝進出を果たしたカーリング。盛り上がりに呼応するように、一般向けの体験会の人気が高まっている。関係者は「競技人口増につながれば」と期待する。
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「いつもは年に15~20人。それが五輪開幕から2週間足らずで80人の申し込みがありました」。愛知県カーリング協会の森真弓さん(52)は、驚きを隠さない。主催の体験会は24日や3月3日に予定されているが、定員のため募集を打ち切った。森さんは22日午前2時までお断りのメールを書いていたという。
愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」のアイススケート場で土曜日に、9チームが参加する試合を開催する。その隣で、体験会を開いているという。
愛知県立芸術大のデザイン専攻の准教授である森さん自身は、「チーム青森」が女子7位となった2006年のトリノ五輪でルールや「カーリング精神」に興味を持って始めたという。「実は、夏も体験会をやっている。ぜひ来て欲しい」
体験会は首都圏や関西でも人気だ。
「3月の定員を倍の30人に増やしたが1日半で埋まった。代表の活躍で盛り上がるにつれて希望者が増えている」。東京都カーリング協会事務局長の小谷野良明さん(57)も驚く。
明治神宮外苑(東京都新宿区)と東大和市のスケート場で月2回、協会所属のクラブが体験スクールを開催。1時間半で柔軟体操から道具の説明、リンクの歩き方、ミニゲームまでやる。昨年は定員15人を1カ月かけて募集していたという。小谷野さんは、20年前の長野大会を前に「五輪出場に最も近い種目」と競技を始めた。
日本カーリング協会によると、競技登録者数は約2300人で、半数以上が北海道だという。小谷野さんは「4人でショットを完成させる競技の楽しさ、五輪に近い魅力を感じてもらい、競技人口を増やしたい」と語る。
千葉県でも毎月1回、体験会を開いているが、21日までの約1週間で2~5月の定員が埋まった。県協会担当者は「前回の五輪より反響が大きい。試合の放送が始まってから連日対応に追われています」という。
大阪や京都など関西2府4県を統括する京都府カーリング協会が主催する体験会は、3月の計6日分がすぐに満員となった。愛知や東京と同様、各地の希望者に共通するのが、小学生ら子どもの参加希望が目立つ点だという。事務局の石垣留美さん(43)はNHKだけでなく、民放が中継を放送し、男子も初の自力出場を果たして目に触れる機会が増えたとみる。「男女や年齢問わず、長く続けられる競技を楽しんでほしい」(斉藤佑介)