準決勝進出を決め、取材に応じながら笑顔を見せる藤沢(右)と吉田知=樫山晃生撮影
(21日、平昌五輪カーリング女子1次リーグ 日本4―8スイス)
カーリング女子、史上初の4強進出 米国敗退で
おやつも作戦のうち カーリング女子、本橋がリンゴむく
カーリング藤沢五月、韓国で検索上位 笑顔が非スポ根?
ポロポロと涙が止まらなかった。試合後、日本のLS北見のサード吉田知那美は「全然(ショットが)決まらなくて……。本当は試合中から泣きたいくらいだった」としゃくり上げた。
隣のシートで試合をしていた米国が敗れ、決勝トーナメント(T)進出は決まった。が、藤沢は「ただのラッキーです」。ふがいなさに顔をしかめた。
第4エンド(E)は、全員がショットを失敗した。そうなれば世界ランキング2位のスイスには簡単につけ込まれる。重い4失点。コーチ席の本橋は「せめて2、3点(の失点)なら」。後半の追い上げも及ばなかった。前日の英国戦から続くショットの不調に、小野寺亮二コーチは「ちょっと(決勝Tを)意識しちゃったかな」と語る。
シート脇で泣き出した吉田知は、1次リーグ敗退のスイス選手に抱きしめられた。「考えすぎないで。大丈夫だから。絶対に勝てるから」と。泣きたいのはむしろスイスのはず。吉田は「こんなところでクヨクヨしていちゃいけないと思った」。藤沢も「やるっきゃない。迷いなく、自信を持って、誇りを持って」。
目指すのは、さらに先だ。日本勢初の挑戦となる準決勝に向け、いい薬になったかもしれない。(渡辺芳枝)