アーリン・リーメスタ駐日ノルウェー大使=在日ノルウェー大使館提供
3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」です。男女格差が大きいとされる日本を、若い人たち、とりわけ女の子たちが、性別にとらわれず生きることができる社会に――。判事の妻との間に3人の子どもがいるアーリン・リーメスタ駐日ノルウェー大使に、朝日新聞デジタルへ寄稿してもらいました。「男女平等を確立するためには、父親の役割も大きくしなければならない」と大使はいいます。
既得権の「おっさん同盟」崩すことから 上野千鶴子さん
国際女性デー特集「Dear Girls」
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Dear Girls!
男女平等はノルウェー政府の優先課題のひとつです。現在の状況に至るまでには長い時間がかかりました。しかし今なお日本と同様に課題が残されていて、女性が困難に直面することがあります。
この何十年かで状況は急速に変わってきました。私の両親が若かった時代、ノルウェーは伝統的な社会で、男性は高等教育を受けて働き、大部分の女性は家事をしていました。私の両親もそうでした。
私の時代になるとすっかり変わって、例えば私は外交官として、私の妻は判事として働いています。子どもたちが小さかった頃はふたりで家事を分担しました。夕食はその日に早く帰れる方が作ることになっていましたが、妻の仕事は遅くなる場合が多く、ほとんどの場合作っていたのは私でした。子どもたちの世代は女子も男子も同等な機会を得られることを当然と考えており、成人した娘や息子たちも自分の好きな道を歩んでいます。素晴らしい進歩です。
女性の就労は、ノルウェーの経済成長や福祉に大きく貢献しています。女性の就労を可能にするため、国は総合的な福祉制度、例えば両親の育児休暇制度などの整備に長年にわたって多くの予算を使ってきました。その結果、今や女性の就労率が世界で最も高い国の一つとなりました。
しかし、家庭と職場の両方で男…