ペンライトを振りながら登場人物の名前を叫ぶ観客たち=2日午後11時、東京都新宿区の新宿ピカデリー、伊藤恵里奈撮影
映画の登場人物に声援を送ってペンライトを振ったり、時には紙吹雪やクラッカーまで使って大騒ぎしたり……。「上映中はお静かに」が原則の映画館で、まるでライブのように熱狂しながら楽しむ観客参加型の上映が大人気だ。その場・その時にしかない盛り上がりを求める人々が劇場に集う。
2日夜、東京・新宿の新宿ピカデリーで、インド映画「バーフバリ 王の凱旋(がいせん)」の4回目となる「絶叫上映」が開かれた。観客参加型上映の一種で、登場人物に声援を送りながらみる。約600席が発売後すぐに完売。会場は、登場人物のコスプレをした観客の熱気があふれていた。
「恒例の発声練習をします」。上映直前、ファン有志の「V8絶叫上映企画チーム」の小池勇規さん(39)らが、初心者向けに10分ほど楽しみ方を指南した。観客たちは「バーフバリ、バーフバリ!」と主人公の名前を連呼して、呼吸をあわせた。上映が始まると、「うわー」という歓声があがり、鈴やタンバリンの音が鳴り響いた。
古代マヒシュマティ王国の戦士バーフバリが、愛と正義のために戦う壮大な物語だ。主人公は信頼が厚いヒーローで、悪役たちは徹底的に憎たらしく描かれている。裏切りや逆襲など見せ場になると、客席からは「頑張って」「だまされるな」と声援が飛んだ。
物語が進むにつれて劇場内には…