大飯原発3号機を起動させ、制御棒の位置を示すモニター(左)を確認する運転員=14日午後5時4分、福井県おおい町、伊藤進之介撮影
関西電力の大飯原発3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)が14日午後5時、再稼働した。定期検査で2013年9月から止まっており、4年半ぶりに動かした。これで運転中の原発は、関電高浜3、4号機(同高浜町)と九州電力川内2号機(鹿児島県薩摩川内市)と合わせて4基となった。東日本大震災からの7年で節電が進み電気は足りているが、事故時の備えに不安を残したまま再稼働が進む。
関電は大飯3号機の核燃料の核分裂反応を抑えている「制御棒」を引き抜く操作をし、原子炉を起動した。16日にも送電を始め、4月上旬にも営業運転に入る。岩根茂樹社長は「原子炉起動は、再稼働の工程で重要なステップの一つ。安全最優先で緊張感を持って、慎重に作業を進める」との談話を出した。
関電は、大飯4号機も5月中旬に再稼働する。大飯の2基が動けば火力発電の燃料代が減った分で電気料金を値下げする方針だ。
国が東京電力福島第一原発の事故後につくった新規制基準に合格して再稼働した原発は、運転中の4基と、定期検査中の川内1号機と四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)の計6基。3月下旬には九電玄海3号機(佐賀県玄海町)、5月には大飯4号機と玄海4号機も再稼働する見通しだ。
再稼働は加圧水型炉(PWR)が多い西日本で進んできた。原子力規制委員会は昨年12月、福島第一と同じ沸騰水型炉(BWR)である東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)も新規制基準に適合すると認めた。他の同型の原発でも再稼働への手続きが進む。