学校法人「大阪朝鮮学園」(大阪市東成区)への補助金を大阪府と大阪市が不支給とした判断の是非が問われた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。松田亨裁判長は、不支給の手続きに違法な点はないとして学園側の請求を棄却した一審・大阪地裁判決を支持し、学園側の控訴を棄却した。
補助金支給をめぐっては2010年3月に当時の橋下徹知事が「朝鮮総連と一線を画すこと」「北朝鮮指導者の肖像画の撤去」など支給の4要件を提示。学園側は応じ、10年度分の補助金を得た。だが12年3月に生徒の訪朝が問題化し、府が8080万円、市が2650万円の11年度補助金を不支給とし、学園が提訴していた。
裁判で学園側は「不支給は教育を受ける権利の抑制・侵害だ」と主張したが、一審・大阪地裁は憲法や国際人権法に照らしても「学園側に補助金を受給する法的権利はない」と指摘。高裁も補助金は「根拠となる法令の存在しない、贈与の性質を持つもの」として、支給の判断は府や市の裁量の範囲内だと結論づけた。
大阪朝鮮学園の玄英昭(ヒョンヨンソ)理事長は会見で「不当判決に抗議する。ただちに上告する」と述べた。