群馬大医学部付属病院(前橋市)は23日、2010年からの5年間で不適正な診療報酬の請求が約13億4500万円あったと発表した。病院は、入力ミスや認識不足などが原因と説明している。
腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、厚生労働省が院内を監査した結果、診療報酬約8千万円の不適正請求が発覚。昨年3月、同省から「戒告」の行政措置を受け、病院が過去5年間の請求内容を調べていた。
調査の結果、保険適用外の手術や実際より高い保険点数を請求したり、保険の算定要件を満たさないものを請求したりしていた。不正・不当な請求が計約74万件あったという。
病院は、多くの不正請求が見つかった理由について「医師や事務職員に悪意はなく、解釈の誤りや入力間違い。病院全体で認識不足だった」などとし「組織的な不正」はなかったとしている。今後、健康保険組合などの保険者と治療を受けた患者に自主返還する。