県大会準決勝で敗れ、うつむく東海大相模の選手たち
高校野球の春季神奈川県大会準決勝が28日、横浜スタジアムであり、今春の選抜で4強入りした東海大相模が、桐光学園に2―5で敗れた。桐光学園はいずれも2年生の冨田冬馬、谷村然の継投が決まった。
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「攻めきれなかった。基本的なミスをしていたら、点は入らない」。東海大相模の主将、小松勇輝は目に涙をためながら試合を振り返った。
攻守に精彩を欠いた。成長を期待する先発の2年生遠藤成が一回に先制を許すと、四回は押し出し四球に暴投などで3失点。打線もバントミスや走塁ミスが重なり、最後までリズムを作れなかった。
「神奈川は良いチームがたくさんある。うちが悪くても勝てることもあるけど、きょうは勝たせてもらえなかった。現実を教えてくれた」と門馬敬治監督。
桐光学園の冨田、谷村はともに、1年生だった昨夏も経験した好投手。「秋は神奈川から関東大会に出た中(東海大相模、慶応、桐光学園)で、うちだけ選抜に出られなかった。その悔しさを持って冬の練習をやってきた」と冨田は言う。
投球フォームがOBの松井裕樹(楽天)にそっくりで、「松井2世」とも言われる左腕。冬に体重を5キロほど増やし、球威を増した直球とキレのあるスライダーで選抜4強の打線にも決定打を許さない。七回途中まで8安打を浴びながら2失点で粘ると、後を継いだ谷村は力強い直球を武器に反撃をしのいだ。
桐光は準々決勝でも選抜に出場した慶応を破っている。相模に勝ったことを問われた野呂雅之監督は「特別な思いはありません。うちは全力。相模はエースの斎藤(礼二)君が投げていませんし」。ただ、選手たちの成長には手応えを感じた様子で、「普段の練習から充実している」と語った。
今夏は100回記念大会で、神奈川は南北に分かれて2校が甲子園に出られる。南にはこの日鎌倉学園に大勝して決勝進出を決めた横浜のほか、好左腕を擁する藤嶺藤沢や横浜隼人、北には東海大相模、桐光学園、慶応などが入る。群雄割拠。神奈川の夏は今年も熱くなりそうだ。(山口史朗)