広島東署を出る平尾龍磨容疑者=30日午後2時57分、広島市中区、上田幸一撮影
愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者の男が逃走した事件で、広島県警は30日、広島市南区のJR広島駅付近で男の身柄を確保し、単純逃走容疑で逮捕した。逃走から23日目だった。
男は窃盗罪で有罪となり、受刑していた平尾龍磨容疑者(27)。単純逃走容疑などで公開指名手配されていた。30日にJR広島駅付近に似た男がいるとの通報があり、駆けつけた広島県警が同日午前11時38分に逮捕した。
愛媛県警などによると、同刑務所の防犯カメラには8日午後6時過ぎに平尾容疑者とみられる男が走って逃げる様子が映っていた。
同午後7時過ぎには刑務所近くの民家の駐車場で車が盗まれていたことが判明。今治市と瀬戸内しまなみ海道でつながる広島県尾道市の向島にある向島インターチェンジ(IC)の料金所で平尾容疑者とみられる男が現金を支払う姿が確認され、島内の駐車場でこの車が発見されていた。
向島では8日以降、住宅や車から現金や車の鍵などが盗まれる被害が相次ぎ、うち2件で平尾容疑者の指紋が検出され、現場に落ちていた牛乳パックから平尾容疑者と一致するDNA型が検出されていた。愛媛、広島両県警は平尾容疑者が窃盗を繰り返しながら逃走を続けていたとみて、向島を中心に行方を捜していた。