ビッグバンドの練習でアルトサックスを吹く山野琴美さん=福岡県飯塚市
世界的なミュージシャンになることを目指し、日々鍛錬している若者が福岡と熊本にいる。ジャズに心を動かされアルトサックスを吹く女性と、ブルースを入り口にギターの魅力にはまった男性。ともにこの春、高校に入学したばかりで、夢の実現に向けて邁進(まいしん)している。(小田健司)
福岡県飯塚市のカフェに19日夜、地元に拠点を置くジャズのビッグ・バンド「Red Coats(レッドコーツ)」のメンバー約20人が1週間ぶりに集まり、合奏した。大人も多数いるバンドの最年少が、アルトサックス奏者山野琴美さん(15)だ。
3姉妹の末っ子で、2人の姉は中高生時代、吹奏楽部に所属していた。小学5年の時、姉たちが使っていたクラリネットとアルトサックスが同時に空いた。母の淳子さん(49)から「どっちをやりたい?」と問われ、「音がきれいでかっこいいから」とアルトサックスを手にした。
淳子さんのつてで、カフェ「aruk cafe(アルクカフェ)」の大庭進さん(71)の指導を受けた。CDと楽譜を追いながら、1曲ずつものにしていった。吹き始めた年のクリスマスには、大庭さんと学生時代から親交があるプロサックス奏者のMALTAさん(68)と有名曲「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を共演するまでに上達した。
中学2年の時には、飯塚市内の催しで、大庭さんからの課題として与えられて知ったジャズ界の巨匠チャーリー・パーカーの難曲や、ラテンの有名曲「闘牛士のマンボ」などを暗譜で演奏。後者の演奏の様子は動画投稿サイトで「上手(うま)すぎる驚異の中学2年生」と紹介され、一躍注目を浴びるようになった。閲覧数は47万回を超えた。
今は「Red Coats」の…