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登山バス、住民の「お接待」魅力 観光客乗せ緑の秘境へ

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杉林を抜ける狭い道を走るバス=徳島県三好市


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徳島県にある西日本第2の高峰、剣山(1955メートル)のふもとから、登山口の見ノ越(みのこし、三好市東祖谷〈ひがしいや〉)まで、毎年4~11月の土日祝日や観光シーズンを中心に運行される登山バスがある。地元の三好、美馬市とつるぎ町が、住民の足として運行しているコミュニティーバスの路線を延長するなどして、登山バスとしているのだ。車での山登りが当たり前の今、どんな人がバスを利用しているのか。山開きのあった4月29日、三好市とつるぎ町のルートに乗ってみた。


午前8時58分、大歩危(おおぼけ)駅(三好市西祖谷山村)を発車した四国交通バスの乗客12人は、すべて観光客、登山客だった。この路線はコミュニティーバスではなく民営路線。途中の「ホテル秘境の湯」で4人を乗せ、乗客は16人に。外国人も3人いた。日本語と英語で「車内FreeWi―Fi使えます」と掲示がある。


約30分で著名な観光地、かずら橋に到着、5分のトイレ休憩を取った。半数の8人が下車。代わって乗ってきたのは、奥祖谷二重かずら橋まで行くという英国人の若い母子だった。「かずら橋までは全員が乗り切れないこともある」と、運転手さん。


バスは深緑色の水が美しい祖谷渓をさかのぼって進む。道幅は狭くなり、すれ違う香川、広島、神戸など、県外ナンバーの乗用車と譲り合う。バスの後ろに連なった乗用車を、道幅が広い場所で追い越させることも何度かあった。東祖谷の京上地区などには立派なバイパスが通っているが、地元の利用者に配慮して集落の中の狭い道を通る。


大歩危から約1時間10分。終点の久保(三好市東祖谷)に着いた。1240円を運賃箱に入れて下車後、しばらく待つと、三好市のマイクロバスがやってきた。


路線バスを降りた10人全員が乗り換え、地元客の70代女性も乗車。久保にある四国交通の乗務員宿舎で清掃のパートをしており、このバスに乗って菅生の自宅まで帰るという。「昔は郵便物や新聞も私がバスに乗せて一宇(三好市西祖谷山村)まで運んでいたんよ」と教えてくれた。


コミュニティーバスには、乗客…



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