ブルーインパルスの展示飛行と航空法施行規則で定める「曲芸飛行」
基地の催しで高度な操縦技術を披露する航空自衛隊の専門チーム「ブルーインパルス」。周辺住民からは航空法違反の疑いがあるとして、刑事告発する動きがある。何が問題になっているのか。
名古屋市近郊の住宅密集地近くにある小牧基地(愛知県小牧市)。毎年春には基地のPRのため、住民らに敷地を開放し、航空祭が開かれる。昨年までの過去3年間、目玉となっていたのがブルーインパルスによる「展示飛行」だ。44年ぶりに展示飛行があった2015年は前年の約2倍の7万3千人が来場した。
だが、今年は2月中旬に中止が決定。3月の航空祭の来場者数は約1万人に減ったという。空自は中止の理由を公表していないが、1月下旬に、基地周辺住民でつくる「ブルーインパルスの飛行をやめさせる会」の呼びかけを受けた約390人が連名で、名古屋地検に「展示飛行」は航空法違反の疑いがあるとして当時の基地司令らに対する告発状を送っていた。
告発状によると、航空法では人口密集地の上空で「曲技飛行」をする場合、国土交通相の許可を必要としているのに、昨年3月に小牧基地の航空祭でブルーインパルスが飛行した際には、許可をとっていなかった、としている。地検は告発を受理したか、明らかにしていない。
ブルーインパルスの「展示飛行…