米企業が日本にアプローチする無人遠隔操縦機
九州北部の玄界灘に浮かぶ壱岐島(長崎県)の壱岐空港を拠点に、米国の大型無人機「ガーディアン」が周辺海域の上空で試験飛行を続けている。試験は民生目的に限定しているとはいえ、将来的な軍事利用につながる可能性もある。国内での運用は不透明だ。
米国の大型無人機、日本初の試験飛行 戦闘にも転用可能
ガーディアンは12日、日本海有数の漁場である大和堆(やまとたい)南部の海域の上空を約3時間半飛行。北朝鮮のものとみられる漁船による違法操業が増えている海域だ。
操縦するのは、地上に設置した管制センターにいる「パイロット」ら6人。遠隔で機体や海洋レーダー、カメラボールを自在に操作すると、船舶を次々と探知し、高精度の映像が送られてくる。その映像や情報を海上保安庁や防衛装備庁の職員らが見つめていた。
実証試験では、雲仙普賢岳や玄海原発も観測し、熱探知も行うという。実証試験に協力した壱岐市の白川博一市長は「災害支援や海洋観測など平和利用を目的としており、離島が抱える様々な課題に対応できる」と評価する。
ただ、ガーディアンは米軍がイラク戦争などで使用した「プレデター(捕食者)」を改良した無人攻撃機「リーパー(死に神)」を原形とする。今回はミサイルなどの武器は搭載していないが、パーツを組み替えれば戦闘にも活用できる。弾道ミサイルを発射直後の上昇過程(ブースト段階)で破壊する能力も構想中だ。
ジェネラル・アトミクス(GA…