中日の松坂
(30日、オリックス5―1中日)
PLとの延長17回は特別、今も生きる支えに 松坂大輔
完全復活にまた一歩近づいた。中日の松坂が6回を投げ、被安打はわずかに1。6度目の先発で最多の9三振を奪い、初めて無失点でマウンドを降りた。
リリーフが打たれ今季3勝目は逃したが、「ゲームは作れたと思うが、何とかもう1イニングはいきたかった」。意識は常に先発でチームの勝利に貢献できるか。降板後に出したコメントにプライドがのぞいた。
一回だ。ボールが暴れ、制球が定まらない。先頭の西村に四球を与え、二盗も許した。さらに2死三塁でロメロにも四球で2死一、三塁のピンチ。それでも、「得点圏に走者を出してもホームにかえさなければいい」と冷静だった。
小・中学時代にチームメートだった小谷野を、カットボールで一直に仕留め、切り抜けた。回を追うごとに直球も走り出す。松坂には2打数無安打、1四球だった小谷野は「投球スタイルが以前と変わっていた。ボールを動かしていた。外国人投手のイメージだ」と話す。
この日は、五回までに球数が100球を超え、結局、114球を費やした。松坂は「無駄なボールが多かった。早いイニングで球数が増えてしまった」と反省しきりだ。
右肩に不安を抱えながら、中6日での先発ローテーション入りを目標に、登板間隔を詰めるなど一つずつ階段を上っている。いかに球数を減らすのか。次への課題もはっきりと見えている。(鷹見正之)