安倍晋三首相は2日、大津市内で開かれた自民党滋賀県連の定例大会に出席し、第2次安倍政権発足以降の実績を強調した。首相が地方組織の会合に出席するのは異例だが、4月の大阪府連の臨時党員大会、5月の北海道連との食事会に続く動きだ。9月の党総裁選をにらみ、地方票の獲得に向けた地方行脚を活発化させている。
首相は演説の冒頭で、財務省の公文書改ざん問題などを念頭に「国民の行政に対する信頼を揺るがす事態となっており、深くおわびを申し上げます」と謝罪。続けて、彦根藩主井伊家の軍装「井伊の赤備え」を意識して赤のネクタイを着けてきたとアピールし、農業や観光振興などの実績も強調した。憲法改正については「9条に自衛隊を明記して、この違憲論争に終止符を打とう」と訴えた。
演説後の昼食会では、県議らから「総裁選、頑張ってください」と激励される一幕もあったという。
2012年の総裁選では、滋賀県の地方票は石破茂元幹事長が3票、首相と石原伸晃・前経済再生相が各1票だった。(山中由睦、太田成美)