練習を終え、取材に応じる日本代表の西野監督
W杯ロシア大会に向けてスイスで合宿している日本代表は、8日(日本時間9日)のスイス戦を前に、0―2で完敗した壮行試合ガーナ戦を振り返るミーティングをしました。その様子を西野朗監督は「建設的で、選手からも意見が出てきた」と報道陣に伝えました。
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ときに強圧的に自分が意図するプレーを選手に求めたハリルホジッチ前監督が、「選手とのコミュニケーションが悪い」と解任されたばかりですから、西野監督が選手との対話に心を砕くのは当然でしょう。しかし、監督と選手の間のコミュニケーションの改善は、このチームにとっては手段であって、当面は19日のコロンビア戦で勝つことが本当の目標です。監督の独断であれ、選手の提案であれ、コロンビアに勝つ方法を見つけ出し、チームとして実行することこそが大切です。
選手の意見を尊重した極端な例が、2006年W杯ドイツ大会で日本を指揮したジーコ氏です。先発を決めたら、あとは選手任せ。作戦や指示はないのかと詰め寄る報道陣を「選手は大人。自主性を尊重すべきだ」とはねつけました。中田英寿、稲本潤一、小野伸二ら欧州の第一線で活躍していた選手がいて、うまくかみ合ったら手が付けられない強さを発揮するチームでした。W杯開催国のドイツと、大会開幕直前の親善試合で対戦した際は、最終的には追い付かれたものの、2点を先行するなど、本大会での躍進を期待させました。
ところが「選手任せ」は大事なところで崩壊します。1次リーグ初戦のオーストラリア戦で、追加点を狙った小野投入の意図をジーコ氏は明確に伝えず、混乱したチームは残り6分から逆転負けを喫しました。選手に判断させる「ジーコ流」は機能しなかったのです。
試合はまず、前半に中村俊輔の…