トランプ米大統領が7日午後(日本時間8日未明)の安倍晋三首相との共同記者会見で、またもや「バイ・アメリカン」(米国製品を買おう)をアピールした。首相は北朝鮮による拉致問題でトランプ氏から協力の確約を取り付けたが、トランプ氏は、日本に貿易赤字削減の役割を担うよう期待しているようだ。
トランプ氏は首脳会談後の会見で「首相はたった今、何十億ドルもの戦闘機やボーイングの航空機、農産物などをさらに米国から購入していると言った」と強調した。ただ、この発言について、日本外務省幹部は「首相は現状の説明をしただけで、特に新しい(購入などの)話はしていない」と説明。トランプ氏との間で防衛装備品などの追加購入を議論したわけではないとした。
トランプ氏は昨年11月に来日した際の首脳会談でも、日本側に米国製の防衛装備品の「売り込み」を強調。共同会見で「非常に重要なのは日本が膨大な兵器を追加で買うことだ。我々は世界最高の兵器を作っている」と説明し、安倍首相も「米国からさらに購入していく」と応じていた。
第2次政権発足以降、6年連続で増える防衛費の目玉は、陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」、戦闘機F35A(ロッキード・マーチン社)、新型輸送機オスプレイ(米ベル社とボーイング社)と、いずれも米国製だ。イージス・アショアは導入予定の2基だけで約2千億円を見込む。防衛省幹部は「北朝鮮の弾道ミサイル対応のための装備品がどれだけ必要なのか見極めないと、米国にカネが流れていくだけだ」と懸念する。