ポルトガル戦に向けて練習するスペインのMFイニエスタ=14日、ロイター
欧州王者と2010年大会覇者の激突――。1次リーグ屈指の好カード、ポルトガル―スペインが15日(日本時間16日午前3時開始)に行われる。大会開幕直前でのスペインの監督交代劇もあり、注目度は最高潮に達している。
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戦い方は対照的だ。
ポルトガルは縦に速い。FWロナルド(レアル・マドリード)を中心に少ない手数でゴールをめざす。堅実な守備が支えだ。前回のW杯ブラジル大会後に就任したサントス監督が浸透させた。それまでの勝負弱さを払拭(ふっしょく)し、16年欧州選手権での初優勝へとつなげた。
スペインは細かいパスをつなぐ。イニエスタ(神戸)、シルバ(マンチェスター・シティー)ら30代のベテランに加え、20代のイスコ(レアル・マドリード)、コケ(アトレチコ・マドリード)らが並ぶ中盤の技術の高さは世界一と言ってもいい。W杯優勝時にみせた華麗な攻撃サッカーの流れを今もくむ。
イベリア半島で隣り合う両国による「イベリアダービー」。W杯で実現するのは2回目だ。初対戦だった10年大会は決勝トーナメント1回戦。スペインが1―0でポルトガルを下し、そのまま初優勝まで駆け上がった。今大会でも、両雄の今後を占う上で重要な一戦になるのは間違いない。
大一番をスペイン監督の交代が直撃した。ピッチにどんな影を落とすのか。周囲の興味をかき立てる。
14日にあったスペインの会見には100人以上の報道陣が詰めかけた。DFセルヒオラモス(レアル・マドリード)は、「できるだけ早く、前に進むことが我々にとっては必要だ。この難しい状況が成長の機会を与えてくれる。試合に集中することが大切」。自らに言い聞かせるように語った。
一方、ポルトガルのサントス監督は、冷静だった。「スペインは同じスタイルのサッカーを続けてきている。重要なのは選手たちであり、戦術だ。明日の試合で何か問題が起きるとは思えない」(ソチ=清水寿之)