17日、キャンプ地のロシア・カザンで、和やかな雰囲気で練習する日本代表の選手たち=内田光撮影
岡田武史の目
アルゼンチンを見て、サッカーは1人ではできないことを改めて思った。
アルゼンチン、ボール支配もメッシ不発 堅い守り崩せず
人口35万の小国が奇跡の躍進 アイスランド代表の秘密
豪州、優勝候補のフランス追い詰めた 空中戦は互角以上
ゴール前になると、誰もがメッシを見て、彼にばかりパスを渡す。4年前よりも、メッシへの依存度も特別扱いもひどくなっている。見る側にストレスがたまる試合だった。前回は決勝まで勝ち上がったが、今回は厳しいだろう。
対照的に、アイスランドが共感を呼ぶのは魂がこもっているからだ。いま、できることに精いっぱい取り組む姿。球際の強さやひたむきさも、サッカーが足先のテクニックだけではないことを教えてくれる。
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加えて、以前よりも良くなっていた。ただ、ボールをけり込むだけでなく、きちんとパスをつないで攻撃を組み立てていた。
大会はまだ始まったばかりだが、4年前と比較すると、面白い試合が多くなった印象だ。極端に引いて守るような戦い方は少なくなった。
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力の差があっても、ただ打ちのめされるだけでなく、前に出ていく。アイスランドも、フランスに挑んだ豪州もそうだったように、心理的にひるまない戦いが目を引く。各国が育成、強化を進めて、世界的に差が縮まってきているのだろう。
日本に求めるのは、チャレンジすることだ。豪州のように、ひるむことなく戦ってほしい。結果はわからないが、攻守ともに受け身に回らずに自分たちから仕掛けて、チャレンジしなければ、れんがは積めない。勝てなければ、上には積めないかもしれないが、チャレンジすれば、横には積める。それで土台が広がり、次につながる。
客観的に見れば、1次リーグで対戦するチームはどこも日本より上の相手だ。それに対して、腰が引け、精神的にひるんだ戦いをすれば、なにも残らない。(元日本代表監督・岡田武史)