禁煙のスタジアムで、葉巻を片手に後輩たちの試合を見守るアルゼンチンの「英雄」マラドーナ氏=ロイター
1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会でアルゼンチンの主将として母国を優勝に導いたディエゴ・マラドーナ氏(57)の言動が、ロシアの地で物議を醸している。
マラドーナ氏は16日、モスクワ・スパルタクスタジアムのVIP席で、アルゼンチンの初戦を観戦した。スタジアムは禁煙にもかかわらず、派手に葉巻をくゆらせ、立ち上がったり、時に悔しそうに手をたたいたりして、感情豊かに後輩のプレーを見守った。
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この試合を取材していた英BBCのジャック・オアトリー記者は、マラドーナ氏の差別的なしぐさについて言及した。オアトリー記者のツイッターによると、マラドーナ氏は自身に声をかけてきた韓国人の観客に対し、笑顔で応えた後、両目尻を引っ張って目を細めるようなしぐさをしたという。「マラドーナは今やクールではない。そこにいたみんなが不快な気持ちになった」とオアトリー記者は書き込んだ。
試合はメッシがPKを止められるなど、アルゼンチンが小国アイスランドに苦戦し、1―1とまさかの引き分け発進に。マラドーナ氏は試合後、自身のインスタグラムで「今日はアルゼンチンにとって難しい試合になった」と論評したうえで、「スタジアムが禁煙であることは本当に知らなかったんだ。主催者に謝りたい」などと弁明した。
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2026年のW杯が13日にメキシコ、カナダ、米国の3カ国共催に決まった後には、テレビ局の取材に「この3カ国にはサッカーへの情熱が足りない」などと発言して話題になったばかり。自身が主将として優勝した86年大会はメキシコ開催だったにもかかわらず、「メキシコは開催国に値しない。ブラジルやドイツと戦ったらすぐに負けるような国」「カナダ人はスキーはうまいかもしれない。米国は広告収入を優先するためにサッカーを25分クオーター制にルール変更しようとしたことがある国だ」などと斬って捨てた。スタジアム内外でのお騒がせが続いている。