2階部分まで灰や土砂に埋まった建物。住民が捜索隊に家族を捜してくれるように頼んでいた=11日午前10時59分、グアテマラ・サンミゲルロスロテス、岡田玄撮影
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死者・行方不明者が300人を超えた中米グアテマラのフエゴ火山の噴火で、火砕流に襲われた地域の捜索や軍幹部の視察に記者が同行した。3日の噴火から1週間以上経っていたが、約200世帯が住んだ集落は、灰色の土砂に覆われたままだった。
【パノラマ写真】グアテマラ・フエゴ火山の火砕流に襲われた現場=岡田玄撮影
最も被害が大きかったサンミゲルロスロテス地区。捜索隊によると、積もった土砂は深いところで5メートル以上もある。地表に出ているのは、住宅の2階か3階の部分だ。割れた窓から中をのぞくと、火山灰や土砂が天井まで室内を埋めていた。
取材を許された1時間で、計6人の遺体が見つかった。そのうちの5人は住宅2階の片隅で寄り添うような状態で見つかった。
畜産業を営んでいたマルコトゥリオ・サンチェスロペスさん(59)は女きょうだいと娘2人、おじ6人が行方不明という。住民は、捜索隊の目印のために自宅があった場所に木の枝を刺していた。メキシコからの捜索隊の一人は「生き残った人たちは、家族は自宅にいたと信じて目印を置く。でも正確な場所は誰にもわからない」と話した。
軍に同行した別の場所では、地面から水蒸気が立ち上っていた。軍幹部は「冷えているのは表面だけ。内側は数百度の熱を保っている。埋もれた家も溶けているだろう」と語った。周囲の気温が70度を超えている地点もあり、雨が降れば毒性の水蒸気が発生する恐れがあるという。(サンミゲルロスロテス=岡田玄)
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被災地域の取材はいずれも、火山活動を監視するグアテマラ防災当局の許可を得て、軍幹部の視察や捜索隊に同行した。マスクなどの着用のほか、取材時間や場所の指定、緊急時の避難ルートなどは当局の指示に従った。捜索隊などの立ち入りが禁止された期間には被災地域内で取材していない。民間のタクシーや運転手は使わず、住民にガイドも依頼していない。
■全員無事の集落も 生死を分け…