3連覇を達成した佐藤天彦名人=2018年6月20日午後10時48分、山形県天童市の天童ホテル、迫和義撮影
佐藤天彦(あまひこ)名人(30)に羽生善治竜王(47)が挑戦していた第76期将棋名人戦七番勝負第6局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、山形県天童市、天童商工会議所協力)は20日、天童市の天童ホテルで2日目が指し継がれ、同日午後9時40分、佐藤名人が145手で勝って対戦成績4勝2敗で名人位を防衛し、3連覇を達成した。
【タイムライン】大激戦の名人戦第6局を振り返る
持ち時間各9時間のうち残りはともに1分だった。
佐藤名人は福岡市出身。2006年にプロ入りし、15年に名人挑戦権を争うA級順位戦に初参加。すぐに挑戦権を獲得し、当時の羽生名人から初タイトルとなる名人位を奪取した。21年ぶりの20代対決となった前期は稲葉陽(あきら)八段(29)の挑戦を退け初防衛。今期は終始安定した戦いぶりで羽生竜王の挑戦を退けた。
羽生挑戦者は昨年、竜王位を奪還して「永世竜王」の資格を得るとともに「永世七冠」を達成。2月には将棋界初の国民栄誉賞を受賞した将棋界の第一人者。名人挑戦権を争う今期A級順位戦では史上初の6者プレーオフを制して挑戦者になった。タイトルを通算99期獲得しており、今期名人戦には通算100期がかかっていた。(村上耕司)