試合会場には「大迫半端ないって」と書かれた横断幕を掲げるサポーターも=19日、ロシア・サランスク、内田光撮影
サッカー・ワールドカップ(W杯)の19日のコロンビア戦で、勝ち越し点を決めた大迫勇也(28)。9年前、高校時代の対戦相手が敗戦後に残したある言葉に注目が集まっている。
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「大迫半端ないって」。日本の初戦の地、ロシア・サランスク。スタジアムの一角に陣取った日本サポーターが、そう書かれた横断幕を掲げた。
大迫がゴールを決めると、直後からツイッターでこの言葉が拡散。Jリーグの公式ツイッターが「半端ない!! 大迫のヘッドで日本勝ち越し!!!」とつぶやき「大迫半端ないって、コロンビアに決勝ゴールするんだもん! そんなのできひんやん普通! やったぁぁぁ」「流行語大賞で決まりかも」などと次々に投稿された。
元になったのは、2009年の全国高校サッカー選手権準々決勝。大迫擁する鹿児島城西に敗れた滝川二(兵庫)の選手がロッカールームでチームメートを前に、声を裏返しながら叫んだ。「大迫半端ないって、あいつ半端ないって。後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなのできひんやん普通」。この様子がテレビで放映され、注目を浴びた。当時滝川二の監督だった栫(かこい)裕保さん(57)は「高校時代から、反転能力やゴールに向かって飛び出すタイミングに秀でていた。これからもチームの力になってほしい」。
この言葉を残した選手の悔しがる顔と「OSAKO HANPA NAITTE」という文字がプリントされたTシャツも売れている。公式通販サイトでは7月16日以降の発送にもかかわらず、旧デザインTシャツ5色のうち3色の全サイズが売り切れ。フリーマーケットアプリ「メルカリ」に出品された同商品もほぼ売り切れ状態となった。大迫の関連商品の出品は19日の13倍になったという。
初戦の勝利で、パブリックビューイングやスポーツバーでは次戦以降の予約の問い合わせが相次ぎ、ゴールを決めた選手のユニホームの仕入れを検討するスポーツ用品店も出てきた。(河崎優子)