先日閉幕した第73回世界保健機関(WHO)総会で、各国の指導者はWHOを支持し、団結・連携して感染症に対処するよう呼びかけた。WHOのテドロス事務局長は閉幕式のスピーチで「WHOは引き続き戦略面のリーダーシップを発揮し、感染症対策で世界の足並みを揃えさせる」と表明した。
「資金供給を断ち、WHOを脱退する」と脅す米国がいなくても、国際的な感染症対策協力は通常通りに行われた。トランプ大統領が18日に自らのツイッターアカウントに投稿した「テドロス氏への手紙」は自作自演に過ぎなかったようだ。
この手紙でトランプ大統領は、30日以内に重要な具体的改革を行わなければ、WHOへの資金拠出を恒久的に停止し、脱退も検討するとした。この「ゆすりの手紙」は基本的事実の誤りに満ちているだけでなく、米国の一貫した覇権的行為の延長線上にあるものだった。
米国が近年脱退した条約や国際機関を見てみよう。気候変動に関するパリ協定、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、イラン核合意、国連人権理事会、中距離核戦力(INF)全廃条約など。結局のところ、米国の信条は「我に従う者は栄え、我に逆らうものは滅びる」のである。だが人類文明はとうにジャングルから抜け出している。こうした時にトランプ大統領は国際的な条約や機関を脱退し、米国の世界への責任と義務を顧みず、世界の人々の生命の安全を顧みなかった。まるでウイルスの共犯者だ。もし、ゆすり行為をいいようにさせれば、世界文明は恐らく後退し、人類の生命と利益も挽回不能な損失を被るだろう。
人類は運命共同体であり、世界が感染症と闘うには団結と協力が正しい道だ。米国が各国を脅し、思い通りに操ろうとするのは道義的でないし、現実的でもない。WHO総会での世界各国の指導者の発言が明らかな証拠だ。
国連のグテーレス事務局長は「今は国際社会が団結する時だ」と述べた。フランスのマクロン大統領は「まさにこの時、我々は分断されてはならない。我々には新型コロナウイルスに対処する強大なWHOが必要だ」と述べた。英国代表は「世界は力を集中してウイルスに対抗しなければならない。我々はいずれもこの闘いにおいて同じ側にいる」と述べた。ロシア代表は「公衆衛生分野の国際協調におけるWHOの中心的役割を支持する」と述べた。南アフリカの大統領は「我々には十分な団結が必要だ」と述べた。ドイツのメルケル首相は「力強い国際協力があって初めて、この危機を処理することができる。WHOを全力で支持する」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年5月21日