高島屋の木本茂社長
高島屋の木本茂社長に聞く
今年9月下旬、東京・日本橋に新館ができ、4館体制の「日本橋高島屋S.C.(ショッピングセンター)」が誕生する高島屋。木本茂社長に、百貨店としての新たな取り組みを聞いた。
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日本橋店の隣で、三井不動産などと進めてきた再開発ビルがまもなく完成します。そのビルの地下1階~地上7階が「新館」で、9月25日に開業します。
新館には110のテナントが入ります。特徴は「体験型」。ティップネスによる女性専用ヨガスタジオや、ゴールドウインのストレッチルーム、それに茶道教室も。品ぞろえやサービス提供を自分たちで行う百貨店業とは違い、新館はテナントとして専門店に場所を貸し出すことで、百貨店とは異なるサービスを展開できます。
飲食関係の店舗が4割を占めます。カフェやベーカリーなど13店舗が平日朝7時半にオープン。通勤前に朝食を召し上がっていただけ、ランチも調達してもらえます。ショッピングセンター全体のテナントの初年度の売り上げ目標は200億円です。
それでもやはり、核になるのは百貨店(本館)。そのため本館も地下の食料品売り場を刷新するほか、婦人靴の面積を拡充します。美容への関心の高まりを受けて、ネイルやヘアケアなどサービスを中心とした新しいエリアも作ります。
一方で、婦人服の売り場面積を3割ほど減らし、5千平方メートル程度にします。これまで百貨店では、部分最適を追って婦人服の面積を増やしてきました。でもお客様の行動が変わり、売り場はミスマッチが起きている。そこにお客様は不満を感じています。今の売り場に何が足りないのか。全体を見渡しながら、品ぞろえを考えています。
日本橋がある東京都中央区や隣の江東区ではタワーマンションが増えています。日本橋で働く人に加えて、こうした新しい住民の方々も取り込みたい。東館にはポケモンセンターもあるので、ご高齢の方からお子様まで3世代で楽しんでもらえればうれしいですね。(聞き手・高橋末菜)