スウェーデンに勝利し、抱き合って喜ぶドイツの選手たち=AP
(23日、ドイツ2―1スウェーデン サッカー・ワールドカップ)
1―1で迎えた後半追加時間の表示は「5分」だった。まさにその時間が過ぎようとしていた。ドイツが左サイドでFKを得た。
引き分けても1次リーグ突破の可能性を最終戦まで残す。ただ、自力での突破は消える。瀬戸際の場面で、ボールの前に立ったのは、MFクロースとMFロイスだった。
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「ロイスは直接、狙おうとしたが、自分は納得できなかった」とクロースは振り返る。出した結論は、角度を変えること。クロースが小さく蹴り出し、ロイスが止める。再びクロースが右足を振り抜くと、シュートはカーブを描き、サイドネットに突き刺さった。ドイツは九死に一生を得た。
振り返れば、ボール支配率は71%にも上った。だが、試合運びは心もとなかった。軽率なミスが目立ち、スウェーデンの先取点も、クロースのパスミスを奪われるところから始まった。「1失点は僕のせい」とクロース自身も認める。
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後半37分にはDFボアテングが2回目の警告で退場した。ボアテングのプレーは確かに危険だったが、周りの選手に責めがないとは言い切れない。攻撃に気を取られ、守備をおろそかにしていた。当然、最後尾に負担がかかる。守備の意識が全員に徹底していたスウェーデンとは対照的だった。
「ドイツが敗退したら多くの人たちが喜んだかもしれないが、僕たちは簡単にはそうさせない」とクロース。前回王者の意地は見せたが、まだまだ不安を感じさせる初勝利だった。(河野正樹)
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○レーウ監督(ド) 「最後の笛まで、スリルのある、ジェットコースターのような試合だった。最後まであきらめず、そして勝った」