コロンビア戦でドリブルする酒井宏(左)=6月19日、内田光撮影
サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表は2日(日本時間3日午前3時)、初の8強入りをかけて、ベルギーとの決勝トーナメント(T)1回戦に挑む。大会前は決して前評判が高くなかった日本代表。その躍進を支えているのは、早くから海外にわたって力をつけた2012年のロンドン五輪代表世代。地道な働きをみせる彼らは、チームの結束力を大切にする意識が高い。
ボール奪いに行く厳しさ、手本見せて 日本代表に注文
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「このメンバーで一日でも長くやりたい気持ちがある」。決勝T進出を決めた翌日の6月29日、DF酒井宏樹はそう言った。普段はどちらかというと客観的にチームを見つめ、柔和に話すが、あまり感傷的な言葉は口にしない。だから、驚いた。すると、それからまもなく、MF原口元気も「グループの強さっていうのは今まででも一番強く感じますし、個人ではなく、本当にこのチームが勝つために全員が動いているなと感じます」と語った。
W杯ロシア大会の日本代表23人のうち10人が、1989年1月1日から1992年12月31日までに生まれたロンドン五輪世代だ。この世代のすべての選手がロンドン五輪に最終的に臨んだわけではないが、その顔ぶれは、酒井宏、酒井高徳、昌子源、香川真司、山口蛍、原口、宇佐美貴史、柴崎岳、大迫勇也、武藤嘉紀。オーバーエージ枠で出場した1988年8月生まれのDF吉田麻也も加えれば、このチームの約半数がロンドン五輪に関係している。
ロンドン五輪予選のメンバーだった原口や大迫は五輪本大会では代表から外れたが、彼らはロンドン五輪で4位に入った日本代表の主力にあたる世代だ。この世代はW杯ロシア大会のアジア予選から活躍してきたが、前大会までの主力メンバーが脚光を浴びることが多く、その言動はどこか控えめに報じられてきた。彼らの世代が上の世代に対して控えめな気持ちや遠慮が多少あったからだと思う。
でも、西野朗監督が就任してから、そしてロシアに来てから、そんな雰囲気は感じさせなくなった。それは、突然の監督交代でどうなるかわからない状況のなか、そんな遠慮をしていてはチームがまとまらないと感じたからだろう。
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なにより、彼らは知っている。チームが一つになる強さを、そしてその魅力を。なんたって、「世界4位」になった実績があるのだから――。
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