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平和への思い詠んだ「八月の歌」 入賞作55首

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2018-7-19 6:09:09  点击:  切换到繁體中文

 

平和への思いを詠んだ短歌コンクール「八月の歌」(朝日新聞社主催、岐阜県高山市共催、高山市教育委員会後援)の優秀賞10首と奨励賞45首が決まった。今年で10回目。一般の部に560首、中学・高校の部に807首の合わせて1367首の応募があった。フランスで平和活動に取り組む歌人、美帆シボさんが選考した。表彰式は8月11日に高山市で開かれる。


入賞作は次の通り。(敬称略、50音順)


◇優秀賞


【一般の部】


少年は幼弟(おさなおとと)の亡き骸(がら)を裸足で背負い火葬場(やきば)に立てり(岐阜県高山市)坂田壽美子


「核の傘」閉じて光を求めよと吾にも迫るサーロー節子は(熊本市)田川清


ガザ地区に生まれガザにて生命(いのち)終う誕生の地を選べぬ赤子(京都府長岡京市)田原モト子


無言館に真向かふ如く屹立す兜太書・俳句弾圧不忘の碑(茨城県下妻市)為我井節


次世代に継がれ継がれて語り部の「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」は途絶えぬままに(横浜市)水谷亮介


【中学・高校の部】


子供らの手を引き向かう原爆碑歴史のバトンを繫ぐ思いに(長崎県立長崎西高2年)石森聡子


銃を持ち得られる安心ではなくて銃の要らない安心世界へ(静岡県立藤枝東高1年)岩本栞


語りべの思いをのせたてんびんは悲しみよりも願いにかたむく(岡山市立光南台中2年)小笠原陽


沖縄でフェンスがちらつき目をそらし海を見つめる観光客は(神奈川県・桐蔭学園中2年)小林沙葉


カナカナカナ耳を澄ませば可亡可亡可亡と聞こえて来るよ八月の声(茨城県立結城第二高3年)柳崎舞花


◇奨励賞


【一般の部】


語りべの言の葉一つ漏らさじとメモとる子らの明日安らかに(岐阜県高山市)足立達恵


訓令に逆らひてなお人としてユダヤ難民救ひし千畝は(埼玉県川越市)荒川恵子


餓死と言う戦死だったか伯父二人珊瑚のかけら骨代(こつしろ)として(岐阜県大垣市)井沢美志津


南北に分かれしままのわが祖国統一の日よ生きてあれかし(愛知県岡崎市)石川久人


生きるには戦車はいらぬトラクター平和の大地風切り進む(滋賀県東近江市)植田重隆


ヒロシマのあの日を語る男(ひと)は言ふ「私は胎内被爆者です」(岐阜県高山市)打保洋子


南洋に戦死せしてふ若人の遺作のピアノソナタ身に入む(岐阜県高山市)大下雅子


年ごとに減る遺族席老いゆけど忘れじと誓ふ八・一五を(岐阜県高山市)桐山吾朗


召され行く船上の父は挙手のまゝ遠く小さく見えずなりたり(愛知県一宮市)倉田美恵子


ベルリンに「躓きの石」があると言うナチスの過ち忘れぬための(大阪府柏原市)谷たか子


子らの手が造る山、川、家、線路砂場の世界に広がる平和(熊本市)中川弘子


戦争はなぜおこるのかと孫が問う「九条」守れの署名なしつつ(大阪府守口市)中山惟行


纏(まと)ひ付く摩文仁(まぶに)の泥に靴重し此の道を来し難民思ふ(岐阜県中津川市)西尾嘉浩


残された数秒の命吾児(あこ)胸に栓の抜かれた手榴弾手に(埼玉県狭山市)林清子


オリンピック報ずる紙面の片隅にシリアの子らの泣き叫ぶ顔(岐阜県高山市)和田操


【中学・高校の部】


この地球平和にしていく物語一人一人がヒーローになろう(静岡県立藤枝東高1年)新井美咲


広島がヒロシマになる八月の平和の祈り灯篭流し(札幌市立旭小5年)新家悠介


あやまちをおかして学んだはずなのに人はまだまだ平和つかめず(岐阜県・高山市立国府中3年)井口萠


原爆病院に被爆した骨焼けた皮膚未だに残る戦争の跡(岐阜県立吉城高1年)岩愛子


夏の日の苦しみ重く語られて僕は今日から何が出来るか(岐阜県・高山市立清見中3年)尾崎八雲


今悩む短歌一首を考える平和につながる最初の一歩(岐阜県・高山市立丹生川中3年)角野拓哉


花火見る祖母の記憶の彼方には火の粉降り掛る東京の空(千葉県・国府台女子学院高1年)門井愛美


プロペラの音に身構え七〇年記憶に残る戦争の音(岐阜県立飛驒神岡高1年)上ケ平渚


原爆で屍(しかばね)を打つ黒い雨今の日本は平和だろうか(岐阜県・高山市立清見中3年)上坂朝陽


戦争で人は消耗品と化す使い捨てられいつかは滅ぶ(愛知県立刈谷北高1年)川端航平


葬るな日本の闇をあやまちを一回きりの命をかえせ(愛知県・愛知淑徳中2年)菅野ひま里


刻むのだ眼(まなこ)開いて曽祖父の眠る奄美の海の喪の色(愛知県・南山高1年)菅野ほの香


将来の夢を自由に決められる今の私は曽祖父と語りたい(岐阜県・高山市立日枝中3年)小林藍子


命寄せ健気に咲きしひめゆりのあまりに重き中三の夏(北海道・立命館慶祥中2年)小林天音


核のない世界を永遠(とわ)に皆願う平成最後の夏の黙祷(北海道・立命館慶祥中2年)佐藤佳織


「風通し」一枚一枚丁寧に三十万の名前の重み(岐阜県・高山市立朝日中3年)杉崎秀悟


八月が来るたび胸に突き刺さるあの日の涙被爆者の叫び(岐阜県立吉城高1年)瀬川遥斗


白壁に黒い雨あと残る今生きてる我ら何考える(岐阜県関ケ原町立今須中3年)谷口紗弓


六枚の葉の大陸のごとユキノシタ花は語り部聴く我は蕾(岐阜県立吉城高1年)谷口爽和


あの焦げた白いワンピースの子供にはどんな夢があったのだろう(岐阜県・高山市立丹生川中3年)玉田心愛


オラドゥール ヒロシマ ナガサキ 東グータ 眼は逸らさない歴史と現実(愛知県・金城学院高2年)中村桃子


持ち主を待つ物たちの資料館待てども二度と会うことはなし(静岡県立藤枝東高1年)原川結華


いってきます軍服を着た我が息子だれかの息子を殺しに行く(静岡県立藤枝東高1年)藤原菜摘


千羽づる未来の日本へメッセージ二度と苦しみ味わわぬように(岐阜県・高山市立国府中3年)二村伶奈


シベリアに眠る曽祖父夏風よ知らせてあげて私は元気(北海道・立命館慶祥中2年)松賀瞳直


アオギリがあの日の悲劇を物語る街が消えた八月六日(岐阜県関ケ原町立今須中3年)三和日那乃


被爆者の自分だけが助かったその悲しみと生きる苦しみ(岐阜県・高山市立国府中3年)山本麻美


なぜだろう苦しむ人がいる中で幸せに暮らす無関心な人(京都府立南丹高3年)山本瑞葵


平和とは当たり前ではないのだと語ってくれた原爆ドーム(岐阜県・高山市立清見中3年)吉井智紀


被爆者のその思いを伝えたいそれを知らない今の子供へ(岡山市立光南台中1年)吉竹栄作



 

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