通常国会が22日、閉会した。この国会では森友・加計(かけ)学園問題に加え、財務省による公文書の改ざんやセクハラ問題、防衛省による日報の隠蔽(いんぺい)といった問題が相次ぎ、政権の姿勢が問われた。それなのに安倍政権は疑惑の幕引きを急ぎ、重要法案の採決を強行した。政府を監視し、法案の審議を尽くすはずの「言論の府」が、危機に陥っている。(東岡徹)
今国会の審議の最大の焦点は、森友・加計問題だった。「森友・加計問題に議論が集中し、法案審議が滞っている」。与党幹部からはこんな指摘も相次いだ。
しかし、この指摘はあたらない。それは、安倍晋三首相自身が国会で繰り返した発言に表れている。
「森友問題については私の妻が名誉校長を引き受けていたということ。加計学園の問題については私の友人が新たな学部を新設しようとしていたことから、国民から疑念の目が向けられても当然のことであろう」
憲法は国会を「国権の最高機関」と定めている。国会が主権者である国民の代表だからだ。国会には「国政調査権」が認められ、行政を監視する役割がある。
自ら認めているように、行政のトップである首相に国民から「疑念の目」が向けられている。それを国会が解明するのは当然のことで、首相は国民の代表である国会への説明責任を果たさなければならない。
では、首相はどう説明してきたのか。
5月30日の党首討論で、立憲…