老後の生活費が2千万円不足するとした金融庁の審議会報告書をめぐる麻生太郎金融相の一連の発言について、政府は25日の閣議で「矛盾するとの指摘はあたらない」とする答弁書を決定した。山井和則衆院議員=国民民主党に離党届を提出=の質問主意書に答えた。
麻生氏は4日の記者会見で、報告書の公表を踏まえて「きちんとしたものを今のうちから考えておかねばいけないという話を頭に入れておく必要がある」などと容認する発言をした。その後、批判が噴出すると、11日の会見では政府の政策との違いを指摘し、「正式な報告書として受け取らないと決定した」と表明した。
麻生氏の認識の変化を問う山井氏の質問に対し、答弁書では、4日の発言は老後の資産形成についての麻生氏の考え方だったと回答。一方、11日の発言は「今後の政策遂行の参考とはしない旨を述べたもの」で意図が異なるとして、矛盾はないとした。(安倍龍太郎)