経済産業省は24日、学校法人「加計学園」の愛媛県今治市への獣医学部新設問題で国会の追及を受けた柳瀬唯夫・経済産業審議官(57)の退任を発表した。後任には、寺沢達也・商務情報政策局長(57)を充てる。いずれも25日付。世耕弘成経済産業相は「加計問題は今回の人事に何ら影響していない。総合的に判断した」としている。
柳瀬氏は1984年に旧通商産業省(現経済産業省)に入省。12年に第2次安倍晋三内閣で首相秘書官に就任した。加計学園問題では、秘書官時代の15年4月に愛媛県職員らと首相官邸で面会した際に柳瀬氏が「本件は、首相案件」と発言したと記録された文書が見つかった。
5月に国会に参考人招致された際には、学園関係者らと会ったことは認めたが、「総理に(面会を)報告したことも、指示を受けたことも一切ない」と述べていた。
経済産業審議官は、経産省内で通商政策を担う事務次官級ポスト。寺沢氏は柳瀬氏と同じ84年に入省。17年7月から商務情報政策局長。