(24日、高校野球北神奈川大会準々決勝 東海大相模9―8相模原)
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相模原の捕手・風間龍斗(りゅうと)(2年)は九回裏、2点本塁打を打たれて同点にされても、これまでと変わらず、「低く、低く」。低く構えた守備位置から、広げた両手を上下に地面すれすれまで、何度も下げて見せた。「いつも以上に『低く』を意識してくれた。互角に戦えた」。この夏、最高の試合が出来たと思う。
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5点を先制した後の一回裏、両手を広げ、低めの球を要求し続けた。失策が出て2死満塁のピンチ。要求通りの低めの球が来た。相手打者が振り抜いた球が左翼手のグラブに収まると、「やったー」とメンバーと三塁側の応援団員が拳を突き上げた。ベンチと応援団が一体になった。
打者に応じた守備位置の変更や配球をするデータ野球も取り入れた。ベンチから受けたデータを元に、マスク越しに守備位置の変更の指示も続けた。
チームも、風間自身も、打撃のチームと自負してきたが「守備が悪いと攻撃につながらない」。春の県大会で私立強豪校を相手に、失策絡みで敗退した。自分たちは公立校で「私立の打球は違う。速度が違い、伸びてくる」。ノックはノッカーが自ら球をあげて打つ方法から、トスした球を打つ方法に変え、打球を強くして守備力強化に取り組んだ。走り込みで足腰を鍛え、守備範囲を広げた。
九回裏は、内野安打で三塁走者が本塁に駆け込む姿を見届け、試合は終わった。「しっかり策を練って試合に臨め、楽しめた。全員がとてもいい雰囲気で試合ができた」
最後は力負けしたが、手応えを感じた。「来年も『低く、低く』を続けながら、全員で守り、つなげる野球をしたい」(斎藤茂洋)