パキスタン下院(定数342)の任期満了に伴う総選挙で、投票から一夜明けた26日、現地の主要メディアは開票状況から野党第2党の正義運動(PTI)が最大勢力に躍進しそうだと一斉に伝えた。選挙管理委員会は同日中に開票作業を終え、近く開票結果を公表するとしている。
女性・非イスラム教徒枠として各党に比例配分される70議席を除く272議席が小選挙区制で争われた。英字紙ドーンによると、正義運動(前回28議席)は110議席を超える勢い。一方、2大政党の与党イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N、同126議席)は65議席ほど、野党・人民党(PPP、同33議席)は40議席程度にとどまる見通しだという。
選挙戦では、クリケットの元国民的スター選手のイムラン・カーン正義運動党首が「(ライバルの)インドに譲歩しない」と有権者の愛国心に訴え、同国政治に影響力を持つ軍部との蜜月関係を追い風に支持を広げた。一方、与党は堅調な経済状況を背景に高支持率を誇ってきたが、反目する軍部の干渉もあり、シャリフ元首相ら中枢幹部が相次ぎ失脚。求心力を失った。
各党は今後、下院の過半数確保…