「ロミオとジュリエット」を下敷きにした傑作ミュージカル「ウエストサイドストーリー」の宝塚宙(そら)組版が24日、大阪・梅田の梅田芸術劇場で開幕した。
舞台は1950年代のニューヨーク。不良グループの対立の中でうまれる、トニーとマリアの愛と悲劇を描く。トップコンビ真風(まかぜ)涼帆(すずほ)と星風(ほしかぜ)まどかのお披露目として今年1月に東京で上演。半年ぶりの今回の公演では、キャストの一部が入れ替わった。
真風は端正な姿で一途なトニーを好演。星風がはじける可憐(かれん)さ、印象的な歌声で、マリアをいきいきと描き出した。トップコンビの宝塚らしいたたずまいは、ラブストーリーにぴたりとはまる。情熱的な女性アニータを演じた男役の桜木みなとも目を引いた。
移民への差別、格差や貧困……。「いい世の中を知らない」という若者たちのいらだちが悲劇の核となる。不良グループを演じる若手には、渦巻く負の感情をぶつけ合う、さらに熱いエネルギーを期待したい。
演出・振り付けは、ブロードウェーから招いたジョシュア・ベルガッセ、演出補・訳詞は稲葉太地。8月9日まで。