本塁打の誤審を巡りオリックスが日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーに提訴した問題で、斉藤コミッショナーは27日、提訴を受理しないことを発表した。試合のやり直しも行わない。
NPB、また誤審認める 今度は6月のヤクルト―阪神戦
問題があったのは6月22日のソフトバンク戦(ほっともっと神戸)。ファウルと判定されたポール際の打球がリプレー検証の結果、本塁打となった。試合後に再検証した審判団が誤審を認めた。オリックスはアグリーメントにある「確証がない映像の場合は審判団の判断とする」の条項に違反したと主張したが、コミッショナーはこの日の「見解書」で、審判団はリプレー検証の結果、確証を持って本塁打と判定したと認定した。
コミッショナーは東京都内でオリックスの湊通夫球団社長ら幹部に「見解書」を渡し、誤審の謝罪とともに再発防止に努めることなどを説明した。オリックス側も了承した。コミッショナーは「(誤審は)本来あってはならないことで、ファンの皆様に謝りたい」と語った。
コミッショナーは「審判団は一生懸命に映像を確認し、確証を持って判定を出しており、その行為は間違っていない。試合後に誤審が判明したことは想定外で、こうした場合にどうするかは野球規則、野球協約にも規定がない。試合のやり直しはできない」などと語った。オリックスの湊球団社長は札幌ドームでの試合前に、「コミッショナー自らが動かれていることが理解できた。信頼したいし、再発防止につなげてほしい。これで終わらせたいと思っている」と話した。