カンボジアで総選挙の投開票があった29日、日本在住のカンボジア人が東京・芝公園周辺で、国際社会に選挙結果を受け入れないよう求めるデモ行進を行った。同国では昨年11月に最大野党・救国党が解党させられており、参加した約500人は「不正な選挙は認めない」と訴えた。
参加者らは、33年間首相の座にあるフン・セン氏を念頭に「独裁はいらない」と声を張り上げた。インターネットを通じてその様子を同時配信し、カンボジアの有権者に投票を棄権するようにも呼びかけた。
カンボジアの総選挙をめぐっては、米国や欧州連合(EU)が選挙支援の停止を決定。日本政府は投票箱の提供などの支援を続け、批判も出ていたが、菅義偉官房長官は25日の定例会見で「(カンボジア側に)懸念を伝え、状況改善を働きかけている」と述べ、選挙監視要員を派遣しないことを明らかにしていた。
デモに参加したパートのシーン・サレンさん(42)は「選挙は民主主義にとって大切。中身のない選挙を認めるべきではないし、私たちは諦めない」と話した。(藤原学思)