米トランプ大統領は３０日、イランの核開発問題を巡って対立する同国のロハニ大統領との会談について「彼らが望むならいつでも会う」と話した。実現への条件もつけないとし、トップ会談で事態打開を演出するという「トランプ流外交」に自信をのぞかせた。

訪米中のイタリアのコンテ首相との会談後、記者会見で答えた。トランプ氏は北朝鮮の金正恩（キムジョンウン）朝鮮労働党委員長やロシアのプーチン大統領との首脳会談の成果を自賛。「会談の力を信じている。これまでの合意のような紙の無駄ではなく、意味がある成果を求めるなら、会談をいとわない」と述べた。

一方、ポンペオ国務長官はその後のＣＮＢＣのインタビューに「イランが、国民の扱いを根本的に変えることを示し、悪意のある行いを減らし、核不拡散を実際に防ぐような核合意ができるなら、大統領は座って話す用意があると言っている」と条件を示した。

トランプ政権は５月、イランの核開発をおさえるために米英仏独中ロの６カ国がイランと結んだ合意から離脱し、緩和していたイランへの経済制裁の復活を表明。反発したロハニ師がホルムズ海峡の封鎖をほのめかすと、トランプ氏は「米国を二度と脅してはならない」と強い言葉で応じた。

ただ、その後、核合意に関して「本当の取引をする準備がある」など対話の可能性を示唆していた。（ワシントン＝香取啓介）