自民党総裁選をめぐり、竹下派(55人)を率いる竹下亘・党総務会長は2日、所属する衆院議員と意見交換をした。同派の参院議員(21人)は石破茂・元幹事長の支持で集約を進めているが、衆院側は連続3選をめざす安倍晋三首相を支持する意見が相次いだ。
この日は竹下派の衆院議員34人のうち、21人が国会周辺の事務所に集まった。冒頭、竹下氏は「今日初めてみなさんから意見を聴くことになる」とあいさつ。「3年後の総裁選では我が派から、しっかりと候補を出したい」とも語り、今回の対応に関わらず派としての結束を求めた。
その後、竹下氏と事務総長の山口泰明・党組織運動本部長を除く19人が意見を表明。「安倍首相はトランプ米大統領としっかり話せる関係を築いている」「経済でも実績を残しており、いま首相を代えるべきではない」と、首相支持の声が大勢を占めた。
衆院側は会長代行の茂木敏充・経済再生相や加藤勝信・厚生労働相、山口氏ら首相支持の議員が多い。茂木氏は「一番重要なことは誰が日本のリーダーシップを取るかだ」と首相支持をにじませた。山口氏によると、石破氏の名前を挙げた人はいなかったという。
一方、同派の参院側が石破氏支持で集約を進めるなか、派の結束を求める意見も出た。渡嘉敷奈緒美・環境副大臣は安倍政権の評価をしたうえで、「国内では健全な総裁選を行う必要がある。竹下会長の意思に従う」と強調。小渕優子・元経済産業相らも「竹下会長に一任すべきだ」「衆参で一致した対応をすべきだ」と訴えた。
竹下氏は7日に残りの衆院議員や参院側から意見を聴取。8日に幹部会を開いたうえで、9日に長野市で開く派閥会合で正式に態度表明する予定だ。(南彰)